Blog
最新情報をブログでお楽しみください
D2C事業を成功に導くための5つのポイントとは?

みなさんこんにちは。センド株式会社の松嶋です。
私たちは日々、D2Cビジネスに取り組む企業のパートナーとして、戦略設計から実行支援まで幅広く関わっています。
本ブログでは、D2Cビジネスの全体像と、抑えておくべき視点をわかりやすく整理してみました。
D2Cとは何か?
本題に入る前に、D2Cの定義と歴史について簡単に説明したいと思います。
D2Cの定義と進化
「D2C(Direct to Consumer)」とは、メーカーやブランドが中間流通を介さずに自社チャネルで消費者へ商品を届けるビジネスモデルです。
企画・製造・販売・マーケティングを自社で完結させ、顧客との直接的な関係性を強みにしているビジネスモデルのことを指します。
D2Cはアメリカで誕生し、日本では2010年頃から登場しました。
コロナ禍を経て、日本におけるD2Cの定義は少しずつ変化してきましたが、ざっと流れを説明すると下記のようになります。
・初期(2010年代前半):テック系スタートアップとして話題に。
・拡張期(2010年代後半):DXやコロナ禍を背景に多くの既存通販企業がD2Cを名乗る。
・現在(2020年代):通販、直営店舗、ECを含む「顧客と直接つながる全ての活動」をD2Cと捉える風潮に。
D2Cビジネスの特徴とは?

卸や小売を介したビジネスモデルとよく比較されますが、下記の3点が大きな特徴と考えます。
D2Cは、顧客に直結する「ダイレクトな価値提供モデル」
メーカーが製品の企画から製造・販売・アフターサービスまでを一貫して顧客に直接届けるビジネスモデルです。
最大の特徴は、中間流通を介さず、顧客との直接的な関係性と価値提供プロセスを自社で設計・運用できる点にあります。
このようなモデルは、卸や小売を介したB2B2Cモデルと異なり、企業の戦略・マーケティング・オペレーションの全てを「顧客起点」で設計されています。
D2Cは「ダイレクトマーケティング」の進化系
D2Cの本質は「マスマーケティング」ではなく、ダイレクトマーケティングにあります。ダイレクトマーケティングとは、日本ダイレクトマーケティング学会によれば、
「自組織が個々に識別した顧客に対し、その顧客データを活用して設計した価値提供プロセスに基づき、直接顧客に働きかけ、組織の目的を達成する活動である」
【引用:日本ダイレクトマーケティング学会(https://dm-gakkai.jp/directmarketing
と定義されています。
D2Cは、顧客との“関係性”が価値の源泉に
D2Cは、広告で集客して売るだけのモデルではなく、「顧客との関係構築」が中核にあるモデルです。
顧客の声を受け、商品や体験をアップデートし続けることが、ロイヤルティの向上=LTVの最大化に繋がります。
このような進化循環を可能にするのが、D2Cというビジネスの構造的な強みであり、他業態との最大の違いです。
D2Cビジネス成功のために抑えておきたい5つのポイント

さて、いよいよ本題に入ります。
D2Cビジネスにおける各領域の関係をまとると下記のようになります。
各領域が相互に連携しそれを情報基盤が支えていることがわかりますが、この中でも特にポイントとなる5つを説明します。
①事業戦略と顧客戦略の連動
D2Cは「顧客戦略=どんな顧客にどんな価値を提供するか」が事業戦略とセットで設計されなければ成功しません。そのために、商品やサービスの競合優位性を明らかにする必要があります。
フレームワークとしては、3C分析やSWOTがよく活用されますが、セグメントごとの戦略策定やデータ分析がポイントとなります。
②ゴールとKPIの設定
企業や事業が目指すゴールからバックキャストし、事業計画(PL等)を策定した上で、重点取組み事項(KSF)とKPIを策定します。KPIは、差施策や日々のオペレーションがイメージできるレベルまで分化することがポイントとなります。
③価値創造と価値の伝達
価値創造と伝達のマネージメントでは下記の2つを意識することが重要になります。
1)顧客中心主義:LTVを最大化するためには、製品中心ではなく、顧客の多様性と関係性に基づいた体験設計(カスタマージャーニー)が必要。
2)アクションチェーンマネジメント:媒体企画~販売~配送までの流れを時間軸まで意識しオペレーション管理する仕組みが必要。
④顧客収益性の把握(財務視点)
D2Cは、定期購入を前提した販売計画をとることが多いですが、その際に特に重要とする指標は、LTV(ライフタイムバリュー)とCE(顧客資産価値)です。
顧客一人ひとりのLTVを把握すること、さらには、セグメント単位でCE(顧客資産価値)を算出し、最大化していくことが財務戦略と直結します。「収益構造=顧客構造」と認識する必要があります。
(※もちろんCFの考慮も必要です)
⑤顧客中心主義の組織への転換
チャネル別/商品別ではなく顧客セグメント別に責任を持つ組織構造が理想です。クロスファンクショナルチームや「CDMT(Customer Development Management Team)」の設置は有効な手段です。
最後に
D2Cは、もはや単なる「ECモデル」ではありません。
顧客体験と事業収益を一貫してマネジメントする、新しい経営のかたちです。
弊社では、こうした本質的な視点をもとに、
戦略設計から実行支援までを一気通貫で支援する伴走型コンサルティングを提供しています。
D2C事業の成長・再構築において、もしお悩みや壁を感じていらっしゃるようであれば、ぜひお気軽にご相談ください。
→お問い合せはこちらから!